電気自動車の充電料金はいくら?ガソリン車との比較や節約術まで紹介

  • 2024年5月24日

電気自動車への乗り換えを検討しつつも、充電料金はいくらかかるのか、ガソリン車とどちらがお得なのかいまいちわからず、ためらっている人も多いのではないでしょうか。

二酸化炭素が発生しない電気自動車は環境にやさしく、世界各国で関心が高まっています。日本での普及率はまだそこまで高くないものの、ガソリン車よりも維持費が安いといわれており、出費を抑えたい人におすすめです。

ただし充電方法や料金の仕組みをきちんと理解し、自分の生活に適した充電スタイルを選ばないと、余計な費用がかかることもあるため注意しましょう。

本記事では、電気自動車の充電料金の目安やガソリン車との比較、料金を安く済ませる方法など詳しく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

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電気自動車の充電方法

電気自動車の充電方法は、「普通充電」「急速充電」の2パターンです。その名のとおり、普通充電よりも急速充電のほうが速く充電できます。

ここでは具体的に充電時間はどのくらいかかるのか、それぞれメリット・デメリットも含めて見ていきましょう。

普通充電

普通充電では、100Vもしくは200Vのコンセントが一般的に用いられており、3~6kW程度の出力で電気をためられます。

たとえば50kWhの車を0%から満タンに充電する場合、「50kWh÷3~6kW=8~16h」となり、約8~16時間必要です。外出の途中で気軽に充電できる時間ではないので、普通充電設備は自宅や宿泊施設などの長時間滞在する場所に設置されます。

時間がかかる一方、充電料金が比較的安いことがメリットでしょう。

急速充電

急速充電の出力は充電設備によって幅がありますが、現在日本に普及しているものは~50kW程度と考えていいでしょう。つまり50kWhの車なら、最短1時間ほどで満充電できる計算です。

とはいえ急速充電はバッテリーヘの負担が大きいため、80%程度までの充電が望ましいとされています。実際に1回あたり最大30分までと制限されていることが多く、30分経たなくても80%付近で充電が終了する仕組み。

充電時間が短い一方、充電待ちが発生すると、長時間車内で待機しなければならないことが難点です。

電気自動車の充電スタンドの設置場所

ここ数年、日本でも全国的に電気自動車の充電スポットが増えており、外出先でも容易く充電できるようになりつつあります。主な充電スタンドの設置場所は下記のとおりです。

  • カーディーラー
  • 商業施設
  • コンビニ
  • 道の駅
  • 高速道路のSA・PA
  • 自治体の施設(役所など)
  • 宿泊施設

利用には料金がかかることが一般的ですが、役所やカーディーラーなど一部の場所では無料で充電できる場合があります。

いくらかかる?電気自動車の充電料金

電気自動車への乗り換えを検討するうえで、充電料金がいくらかかるのか気になる人は多いでしょう。

ここでは自宅で充電する場合と、充電スポットで充電する場合について、それぞれのおおよその充電料金をご紹介します。

自宅で充電する場合

自宅では長時間の充電が可能なので、主に用いられるのは普通充電です。充電料金は、月々の電気代として支払います。

1kWhあたりの電気代は、契約している電力会社や料金プランによって異なるため、以下は家電公取協による現在の目安単価「31円/kWh(税込)」で算出しました。なお、出力3kWで0%から100%まで充電した場合の料金目安です。

電気自動車のバッテリー容量1回あたりの充電料金満充電までの所要時間
20kWh620円約6.6時間
50kWh1,550円約16.6時間

充電料金は安価ですが、初期費用として充電設備の工事費用がかかります。一般的に、自宅に充電コンセントを設置する場合の相場は概ね10万円前後です。

充電スポットで充電する場合

充電スポットを利用するときは、基本的に充電カードを使用します。

充電カードは固定の月額料金と、充電時にかかる都度料金を負担しなければなりません。どちらもカードの発行元や利用するプランで料金が変わります。

以下はe-Mobility Power社が提供する「急速充電プラン(16.5円/分)」を利用し、30分間充電した場合の料金目安です。

月額料金:4,180円
1回あたりの充電料金:16.5円/分×30分=495円

ちなみに50kWhの車を0%から出力50kWで充電した場合、30分で半分の25kWhまで充電できます。

電気自動車とガソリン車の燃料費の比較

電気自動車とガソリン車では、どちらがランニングコストが安いのか気になりますよね。

下記の表は、トヨタの純ガソリン車「ヤリス」と、日産の電気自動車「リーフe+」を例に挙げて燃料費を比較しました。充電料金は、自宅での普通充電を想定した電気代31円/kWh、ガソリン代は170円/Lで計算しています。

車種ガソリン車「ヤリス」電気自動車「リーフe+」
燃料タンク・バッテリーの容量40L60kWh
燃費(電費)21.6km/L(WLTCモード)7.5km/kWh(WLTCモード)
0からフル容量までの給油・充電料金6,800円1,860円
走行距離1万kmにかかる給油・充電料金78,540円41,323円

出典:トヨタ ヤリス 主要諸元表|トヨタ自動車NISSAN LEAF|日産自動車

ガソリン車の走行距離1万kmにかかる料金

国土交通省が発表しているガソリン車(WLTCモード)の平均燃費18.9km/L(※1)と比べ、「トヨタ ヤリス」は21.6km/Lと平均よりも優れた燃費を誇ります。

昨今はガソリン代の高騰が目立ち、2023年4月における全国のガソリン代の平均価格は168.1円/L(※2)。約170円/Lとして、年間で1万km走行すると仮定した場合の燃料費は、下記のように計算します。

1万km走行する場合に必要なガソリン量:1万km÷21.6km/L=約462L
1万km走行する場合にかかるガソリン代:462L×170円/L=78,540円

よって上記の例では、ガソリン車の年間の燃料費は8万円前後が目安です。

出典:(※1)自動車燃費一覧(令和5年3月)|国土交通省、(※2)調査の結果|経済産業省 資源エネルギー庁

電気自動車の走行距離1万kmにかかる料金

電気自動車の人気車種「日産 リーフe+」の60kWhバッテリー搭載車では、使用環境や整備状況などで左右されるものの、WLTCモードでの一充電走行距離は450kmとされています。

充電にかかる電気代を31円/kWhとして、ガソリン車と同じく年間で1万km走行すると仮定した場合の燃料費は、下記のとおりです。

1kWhあたりの走行距離:450km÷60kWh=7.5km/kWh
1万km走行する場合の消費電力:1万km÷7.5km/kWh=約1,333kWh
1万km走行する場合にかかる充電料金:1,333kWh×31円/kWh=41,323円

ガソリン車と比較すると、ほぼ半額の結果に。外充電を利用する場合は、充電カードの月額料金や充電料金がかかりますが、多くのケースで出費を抑えられるでしょう。

電気自動車の充電料金を抑える方法

ガソリン車よりも維持費がリーズナブルな電気自動車ですが、よりコストを抑えるためにできることはあります。

これから電気自動車に乗り換える人、今よりも充電料金を安く抑えたい人は、ぜひ以下の方法を実践してみてください。

電力会社やプランの見直し

自宅での充電をメインとする場合、契約中の電力会社と料金プランによって充電料金は大きく左右されます。たとえば1kWhあたりの電気代が20円と30円では、60kWhの電気自動車を0から100%までフル充電する場合、600円も差が生じる結果に。

昨今は、大手電力会社よりもリーズナブルな料金プランを提供する新電力が増えているので、これを機に現在の契約内容を見直すといいでしょう。電気自動車の充電料金とともに、日常生活の電気代ももっと抑えられるかもしれません。

充電カードの見直し

日産自動車が提供する充電カード「ZESP3」を例に挙げると、最安プランが月額550円、最高プランが11,000円と、月額料金に10,000円以上の差があります。後者は高いと感じるかもしれませんが、分数ごとの充電料金が安かったり、急速充電が400分無料で使えたりするため、頻繁に外充電する人はこちらのほうがお得でしょう。

一方、あまり外充電を利用しない人は、最安プランで月々の料金を安く済ませることがおすすめ。充電カードが自分の生活スタイルに適したものか見直してみましょう。

無料の充電スポットの利用

電気自動車の普及促進や集客を目的として、無料充電スタンドを設置している施設があります。主にカーディーラーや公園、役所、ショッピングモールなどが多いです。

たまにしか外で充電しないという人は、充電カードを作ると月々の料金が無駄になる場合も。それならいっそ充電カードは持たず、もし外で充電したいときは無料充電スポットを利用することがおすすめです。

ただし、無料充電スポットは混雑しやすかったり、利用条件があったりする場合も多いので注意しましょう。

エコドライブの心がけ

エコドライブを心がけることは、充電料金を抑えるうえで重要です。

急発進・急加速・急ブレーキを繰り返す運転のし方は、電力を大きく消費します。アクセルやブレーキペダルはやわらかく踏み込むよう意識をしましょう。

また、実際の車内温度とエアコンの設定温度の差が大きいことも、電力の大量消費につながります。夏は乗る前に換気して車内温度を下げたり、冬はブランケットなどの防寒アイテムを使用したりして、エアコンの温度を控えめに設定しましょう。

電気自動車の充電に関するQ&A

電気自動車や充電スポットを初めて利用する人は、慣れるまでわからないことばかりで不安ですよね。

以下に電気自動車の充電に関するよくある質問を3つ挙げて解説します。ぜひチェックして今後の参考にしてみてください。

充電料金の支払い方法は?

充電スポットで充電した場合の支払いは、基本的にクレジットカード決済です。なかにはキャッシュレス決済を導入しているところや、精算機による現金払いに対応している道の駅も。

そのほか、充電料金がかからない代わりに、駐車場代など別途料金が発生するケースもあります。

充電カードは必ず必要?

充電カードを持っていなくても、ビジター(ゲスト)認証で利用可能です。

ところが毎回パスワードを発行してもらったり、割高な充電料金を負担したりしなければならない欠点があります。よく充電スポットを利用するなら、充電カードは所有していたほうがいいでしょう。

ハイブリッド車は充電しないとどうなる?

ハイブリッド車は、ガソリン・電力のどちらもエネルギーとして利用できる自動車です。

ガソリンがあれば走行できるので、たとえ充電しなくても使用上問題はありません。ただ燃費の観点からいうと、電力も活用したほうがコストを抑えられるでしょう。

生活スタイルに合った充電方法で料金を節約しよう

従来のガソリン車と比べると、電気自動車はグッと維持費を抑えられます。しかし、ガソリンのように単価が安いところで入れればいい、という単純なものではありません。

自分の生活スタイルに合わせて充電方法を使い分けることや、電気代や充電カードの課金システムを理解したうえで利用することが重要です。

より電気自動車のメリットを活かすためにも、本記事でご紹介した充電料金の目安を参考にしつつ、料金を抑える方法もぜひ取り入れてみてください。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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