メルカリ利用に古物商許可は必要?ケースごとに解説

  • 2023年7月4日
メルカリ利用に古物商許可は必要?

メルカリを利用し、不要になった品物を販売している人は多いでしょう。なかには多くの品物に買い手がつき、想定していた以上に売上を得られた人もいるかもしれません。

そんなときに気になるのが、「メルカリでの販売に古物商許可は必要なのか」という点ではないでしょうか。実はメルカリで品物を販売する際も、古物商許可が必要な場合と、そうでない場合があります

古物商許可の必要性については明確な基準があり、販売の目的や行い方次第ではメルカリの利用であっても、古物商許可が必須になることも。万一許可なしで販売を続けていると、罰則の対象となる恐れすらあります。

この記事ではメルカリで品物を販売する人に向け、古物商許可が必要となる基準や、許可証の取り方について解説します。メルカリを利用する人は、この基準についてしっかり理解しておいてください。

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古物商許可がいる場合といらない場合がある

メルカリを利用する人のなかにも、古物商許可が必要な人と必要でない人がいます。メルカリ利用者すべてが一様に、「必要か、不要か」というわけではない点を、まず理解してください。

ひと言で言うと、古物商許可が必要になるのは日本で買った中古品を、転売を目的として販売する人です。

そもそも古物商許可は、世の中に盗難品が流通することを防ぐために定められたシステム。つまり中古品を購入し、改めて転売する場合に限り必要になるものです。

ややこしく感じるかもしれませんが、具体的な事例を見ればその必要性が理解できるはずです。古物商許可の不要なケースと、必要なケースをそれぞれ見ていきましょう。

古物商許可がいらない場合

まずは、古物商許可が必要でないケースについて見ていきましょう。メルカリ利用者の多くが、こちらのパターンに属するのではないでしょうか。

古物商許可が必要ないパターンが理解できれば、逆に古物商許可の必要性の基準が分かるはずです。

不用品を売る場合

これまで所有していたものが不要になり、メルカリに出品し現金化したいと考える人は多いでしょう。そのような場合は、古物商許可は必要ありません。

古物商許可は、営業目的で古物を売る場合に必要になるもの。不用品は営業目的で仕入れた古物ではないので、この場合古物商許可の対象にはなりません。

とはいえ、あまりに販売数が多い場合は「転売目的では?」と疑われる可能性があります。

新品を仕入れてメルカリで売る場合

それでは、転売も視野に入れて新品を仕入れ、実際にメルカリで販売した場合はどうでしょうか。この場合も、古物商許可は必要ありません。

古物商許可はあくまでも、中古品を再販する場合に適用されるもの。新品は、仮に転売目的で購入したものであっても中古品ではないので、古物商許可は必要ありません。

ただし「未使用品」とされていても、メルカリなど個人から購入したものを再販する場合は、古物商許可が必要になることがあります。仮に未使用であっても、一度購入されたものはその時点で中古品となるからです。

一度でも誰かの手に渡った品物を購入する場合、商品の使用・未使用に関わらず中古品扱いとなる点は理解してください。

海外で買ったものをメルカリで売る場合

海外で中古品を仕入れ、メルカリで転売した場合はどうでしょうか。この場合も古物商許可は必要ありません。古物商許可は、日本国内の法律にもとづく規則であるためです。

海外で購入したものは、仮に中古品であっても古物商許可の対象とはなりません。しかし、逆に日本で仕入れた中古品を海外に販売する場合は、古物商許可が必要になります。

無料でもらったものをメルカリで売る場合

誰かから無料でもらった品物に、値段を付けてメルカリで販売する場合はどうでしょうか。そのような際も、古物商許可は必要ありません。

古物商許可が必要になるのは、仕入れる際に金銭が発生した場合のみです。仮にメルカリで転売し利益が得られたとしても、もともと金銭のやりとりがなく手にしたものは、古物商許可の対象になりません。

くじやゲームセンターの景品を売る場合

UFOキャッチャーなどで獲得した景品をメルカリで販売する場合も、古物許可証は必要ありません。くじやゲームセンターの景品は新品です。中古心を購入しているわけではありません。

仮に景品転売の目論見があったとしても、購入者がお金を払っているのはくじやゲームに対してであり、その行為は仕入れにあたりません。

くじやゲームの景品はメルカリにも多く出回っていますが、その場合も古物商許可は必要ないのです。

古物商許可がいる場合

アンティークショップ

それでは、古物商許可が必要なケースについて見ていきましょう。

このような販売を行っている人は、古物商許可がないと罰則の対象となります。「知らなかった」では済まされないため、しっかりチェックしておいてください。

中古品を仕入れてメルカリで転売する場合

中古品を仕入れてメルカリで転売する場合、古物商許可は必要です。古物商許可は盗難品の流通を防ぐためのもので、中古品の転売を行う際に必要。

中古品を購入し、自分で使わずメルカリで転売する場合、販売者は古物商許可を取得しておきましょう。

メルカリShopsで中古品を販売する場合

メルカリShopsはメルカリ内に自分のお店を持てるサービスで、手軽にネットショップが開業できる点が魅力です。メルカリShopsで中古品を販売する人も多いですが、この場合も古物商許可は必要です。

特にメルカリShopsでは、中古品を販売する場合、古物商許可証の画像の提出が求められます。古物商許可がなく中古品を販売していると、利用制限などの措置が取られることもあるでしょう。

メルカリ、メルカリShopsいずれの場合でも、中古品を転売するときは古物商許可が必要だと認識しておいてください。

古物商許可についてよくある勘違い

ここでは古物商許可に関する、よくある勘違いについて見ていきます。

古物商許可の必要性は理解することがむずかしい場合もあり、多くの勘違いが生じがちです。しかし、必要でありながら無許可で販売を行っていた場合、「勘違い」では済まされません。

古物商許可に関する正しい認識を持ち、メルカリを利用することが重要です。

Amazonはいるけどメルカリはいらない

「Amazonで売るときは古物商許可がいるけれども、メルカリではいらない」といった声が聞かれることがありますが、それは正しい認識ではありません。

Amazonやメルカリなど販売を行う媒体は、古物商許可には直接的に関係ありません。あくまで売り手の事業形態、商品の入手経路などが基準と言えます。

古物商許可が必要なのは中古品を再販する場合であり、使用する媒体がAmazonであってもメルカリであっても、対象の販売者は古物商許可が必要であることに変わりありません。

儲けが少ないからいらない

売上や利益金額など、「儲け」を基準として古物商許可の必要性を説く人がいますが、それも誤った考えです。

あくまでも古物商許可の基準は、「古物を販売しているかどうか」です。儲けが多かろうと少なかろうと、あるいは売価が高かろうが安かろうが、扱っている商品が古物である以上、古物商許可は必要になります。

「儲けが少ないから古物商許可は必要ない」という意見には騙されないようにしましょう。事業の規模に関わらず、業態が中古品販売であれば古物商許可は必要です。

古物商許可の違反者には重い罰則がある

古物商許可が必要でありながら無許可で販売を行っていた場合、「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」という重い罰則が科される可能性があります。

認識があいまいになりがちな古物商許可ですが、古物の販売にあたっては「知らなかった」では済まされません。メルカリをはじめ、古物の転売を考えている人は、古物商許可について正確な認識を持つ必要があるのです。

古物商許可を取る流れ

ここからは、古物商許可を取得するための流れについて解説します。

メルカリで中古品の転売を行いたい人は、こちらの手順を踏み、古物商許可を取得しておく必要があります。スムーズに古物商許可が取得できるよう、すべての工程をしっかりと押さえてください。

費用・必要書類

古物商許可を取得するためには、一定の費用と必要書類の準備が不可欠です。

まず費用ですが、申請手数料として19,000円を申請先の警察署へ支払う必要があります。古物商許可が取得できた場合、法律上義務づけられている古物プレートの設置や古物台帳の用意は、自費で対応しなければいけません。

必要書類については、以下のとおりです。

  • 古物商許可申請書一式
  • 誓約書
  • 略歴書
  • 住民票
  • 身分証明書(運転免許証や保険証ではない)

特に身分証明書は、一般的な運転免許証などではなく、本籍地の市区町村役場でのみ取得できる書類なので注意が必要です。

取得する方法

古物商許可を取得するには、どのような手順を踏めば良いでしょうか。

まずは古物商許可に関する、正しい認識を身につけましょう。どのような事業に古物商許可が要るかを把握し、自分の活動に必要である場合取得を進めます。

古物商の取得ができない欠格要件についても、念のため確認をしておきましょう。問題なければ、事業プランの策定に移ります。

商材や営業所など、事業プランに沿って申請書類を作成し、完成したら警察署へ申請。審査にかかる期間は約40日間です。問題がなければ、ようやく取得できます。取得後は、古物商許可証を受け取り、古物商プレートを用意しましょう。

行政書士に依頼する手も

古物商許可の取得はさまざまな工程や、多くの書類作成を必要とするので、知識と時間が必要です。

負担を軽減するために、司法書士に依頼する方法もあります。なお、会社設立のための登記は司法書士の業務ですが、古物許可証の申請は行政書士の範疇なので、行政書士に依頼すると良いでしょう。

専門家に申請を代行してもらうメリットは、正確性と作業負担の軽減。手続きを正確に完了させられるだけでなく、不明な点は手厚いサポートを受けられます。また、書類作成等を担ってもらえば、負担が少なく迅速に手続きを進められるでしょう。

ただし、相応の費用は必要となるため、自分のニーズや求めるレベルや予算などを考慮する必要があるでしょう。

メルカリ利用でも古物許可証は必要な場合がある

この記事では、メルカリを利用する人に向け、古物商許可の必要性について解説しました。

日本で中古品を仕入れて再販をする場合、古物商許可は必要です。一見、不要であるかのように思えるメルカリでも、事業形態により古物商許可が必要であることは、しっかり押さえておいてください。

メルカリのような販売サイトは近年ますます人気が高まっていますが、ルールに則った正しい販売が求められています。

木暮康雄

木暮康雄 (監修者)

ウリドキ株式会社代表取締役CEO。ウリドキプラスの発行人でもある。
リユース業界での起業・事業運営の経験が豊富でリユースの専門家としてのメディア出演歴も多数。
著書に「リユース革命」(幻冬舎)がある。

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