株主優待の中でも、人気が高いのは食事券。優待券を使って贅沢な食事を楽しむというのが正当な“優待券の使い方”なのかもしれませんが、現実には株主優待券をチケットショップに持ち込んで換金している人も少なくありません。ところで、飲食の優待券は金券ショップで有利な買取ができるのか? また、少しでも高く買取して貰えるコツについて、「あみやき亭」の株主優待券を例に解説していきます。
あみやき亭とは
あみやき亭は、本格炭火焼肉「あみやき亭」・元祖やきとり家「美濃路」・焼肉食べ放題「どんどん」を展開する飲食チェーンです。愛知・岐阜・三重・静岡をメインに展開して、東海エリアに125店舗、東京・神奈川の関東エリアに9店舗を出店しています。
他エリアでの知名度はまだまだという所ですが、東海エリアでの認知度は非常に高く、今後は関東への展開に力を入れているようです。
株主優待
権利確定時期
年1回 (毎年3月に権利確定)
優待券使用期限 1年間(毎年6月30日までの有効期限)
株主優待の内容
- 100株 食事優待券 1000円券×3枚
- 200株 食事優待券1000円券×6枚
- 300株 食事優待券1000円券×10枚(※米5kgと交換可能)
- 500株 食事優待券 1000円券×15枚(※米7.5kgと交換可能)
1回の会計で利用制限はなく、何枚でも利用可能
その他の割引券との併用も可能
あみやき亭の優待券使用可能のお店
あみやき亭直営店
- あみやき亭
- 焼肉食べ放題 感激どんどん
- 元祖やきとり家美濃路
スエヒロレストランシステム直営店
- かるび家
- 焼鳥 スエヒロ館
- レストラン スエヒロ館
- あみやき亭
- あみやき亭牧場
- 楽市
あみやき亭の買取換金率
- アクセスチケット 750円
- アイギフト 800円
- クローバーチケット 500円
- 大黒屋 600円
- ヤフオク!の落札相場 900~940円
こうして買取価格を比較して見ると、食事系の優待券は買取店よりもオークション落札が断然有利というのが明確になりました。焼肉は、若い世代からファミリー層まで外食で人気のあるジャンルですから、家計を握る主婦層が落札しているのかもしれません。
実は、金券ショップで食事系の優待券を購入する比率は女性が圧倒的に多く、オークションではあまり外出することのない専業主婦層が利用していることも考えられます。金券ショップの店頭では、1000円の優待券を950円前後で販売されています。毎日数十円、数百円の出費を抑えるために知恵を使う主婦には、10,000円分の外食費を9,000円で済ませられるなら嬉しいことですよね。
※買取価格は記事作成時(2016/10/15)のものです。
金券ショップで高く売るコツ
換金率の比較
使う予定のない株主優待券は、金券ショップに持ち込めば“額面通り”とは行かなくても現金に換えることは可能です。少しでも高く売るには、インターネットであちこちの金券ショップの換金率を検索して、もっとも有利なショップを探し出すことが肝心です。
郵送買取と店頭買取
ただし、ウェブサイト上の換金率は実店舗買取よりも高くなっていることが多く、例えば、A店のウェブサイト上に換金率75%と表記してあったとしても、実店舗までわざわざ足を運んだのに72%…というケースは多いです。反対に、郵送買取では送料や振込手数料がかかるということも頭に入れておきましょう。
90日が目安
株主優待券には、有効期限が設定されています。ほとんどの買取店では、有効期限が90日以上残っていなければ買取不可となってしまいます。もしも、この先使う予定がないのであれば、早めに買取してもらう方が得策です。
もしも、期限まで90日を切ってしまって金券ショップで取り扱い不可となれば、自分で使い切るのが額面通りのメリットを得る最も賢い有効利用です。
演技する
金券ショップの店頭買取では、売りに来た客を見て換金率が変わるということが現実に起こります。いかにも「今すぐ現金が必要!」と切羽詰まった雰囲気を醸し出していれば、足元を見られて安く買い取りされる可能性があるということです。
優待券を金券ショップに持ち込む時には、精神的に余裕を持って「今日の相場価格は?」など、金券の売買に慣れているという余裕を見せるようにするというのも、高価買取のコツですよ!
買取以外の方法
オークション出品
先にも述べましたが、食事券はオークションで売る方が、金券買取よりも高く売れる傾向が強いです。オークションには、買取店のような「有効期限の残り90日」というルールはありませんから、有効期限が切れるギリギリでも、出品するのは自由です。
ただし、オークション最大手の「ヤフオク!」であれば、出品するにはYahoo!プレミアム有料会員の登録が必要です。オークションの出品手数料はかかりませんが、有料会員費(月額498円)と、落札された際には落札額に応じたシステム利用料がかかりますから、出品のメリットとコストのバランスをしっかり考えておくことも忘れずに!
友人・知人に譲る
あみやき亭の優待券は、幅広い世代で人気の「焼肉」の食事券です。行動エリアの近くに利用できるお店がないという場合には買取店かオークションがおすすめですが、利用可能な店舗数が多い東海エリアだったら、回りの人に声をかければ、必ず欲しいという人は現れるでしょう。
複数企業の使い切れない優待券を売るには
換金率の低いものから使う
複数企業の株を持っていると、手元に同じような優待券が集まることがあります。どうせ全部使い切れないというなら、換金率の低いものは自分で消費して、高く換金できるものを金券ショップに売るようにします。
全国展開しているチェーン店などは、どこに住んでいても使いやすいため金券ショップの換金率は高めです。
あみやき亭のように東海エリアで突出して知名度が高いという企業の場合、買取店の換金率が低くなるため、利用できる店が近くにあれば自分で消費して、他企業の換金率の高い優待券を売るという方が現金化した時にお得ということになります。
オリジナルより市販デザインを売る
株主優待では、企業ロゴやキャラクターが印刷された「企業オリジナル」の金券が送られてくることがあります。オリジナルを手にできるというのは株主の特権ですが、金券ショップの買取価格では2%程度下がると言われています。
まとめ
グルメ系の優待券、中でも人気の焼肉系だったら届くのを楽しみにしている人も多いかもしれません。しかし、複数の企業から一気に送られてくると、使い切ることもできずムダにしてしまうことも。深夜の人気番組では、優待券を少しでも有効利用するべく自転車で滑走する男性が登場して大人気となりました。
1円でもムダにしない、少しでも有効活用するには、株主本人の努力も必要ということですね。